「山椒子持ち鮎」がなぜ綺麗に焚けるか?
「山椒子持ち鮎」シーズン・インのお知らせをしたところ、
たくさんのご注文頂き御礼申し上げます。
ご覧頂きありがとうございます。
京料理さくらい 店主の櫻井です。
さて、タイトル「子持ち鮎」について...
いきなり種明かしを...
ズバリ
現在は鍋で焚いていません。
高圧の水蒸気で「焚いています」はも茶漬けと同様です。
鍋で焚かないことには、メリットがいっぱいあります。
- 放射線状に並べない
- 積まなくてもフラットに並べられる
- 煮崩れない
- 均一な仕上がりとなる
- 早く冷める
- 歩留まりが向上
- 完品が多い
などです。
この子持ち鮎は、私が修行先から帰ってくるもっと前、
40年程前から調理・製造していました。
幼いながらに、大変な工程だな と思ってたことを覚えてます。
実際 私が弊店の調理場に帰ってきて、
・並べる
・積む
・目を離さない
この工程は大変気を使いました。
しかも残念なことに、…
焚上がって、鍋から取り出すと、
・煮崩れをおこしたもの
・尾っぽがとれたもの
など、商品にならない「子持ち鮎」がたくさんありました。
(昔は円に並べて5段ほど積んでいました)
なんとか改善出来ないだろうかと、思っていても、
一年に5~6回あるかないかの仕事、
改善させるにも試行錯誤できません。
さて、ココでエポックメーキングな事が起こります。
ちょうど10年ほど前に業務用のオーブンを更新しました。
業務用のヘルシオのようなもので、
高温高圧で煮魚も調理できるマシ-ンです。
しかし煮魚が調理できるオーブンを導入したからといって、
すぐに切り替わる事はありませんでした。(残念)
人間は変化を嫌います。
とりあえずやってみよう!!となかなか腰を上げられませんでした。
逆に失敗したらどうしよう・・・という懸念がおそいます。
しかし導入から遅れること5年...
一念発起して新しいやり方を試行錯誤しました。
このノウハウは書くとキリがありません。
しかしその甲斐あってフラットに焚けるようになりました。
煮崩れは少なく、歩留まりは飛躍的に向上しました。
勘や経験に大きく頼ることなく、
フラットに並べて手順を正しく行えば、
大失敗することはありません。
ちゃんと焚けたときには、感動ものでした!!!
このように、「変わらずに変えていく」ことに日夜努力しております。
基本は大切に&良くなる省力化は是 といったところでしょうか^^
お読みいただきありがとうございました。店主謹白
決して他のやり方に意見を申すつもりはございません)
(昔の記事をリメークして、書きました。)