かつお節「賀茂削り」~削り機のヒミツ~
とてつもなく
堅い本枯れ節を削る、削り機の刃のお話し。
京料理さくらい 店主、さくらいのぼるです。
私が自ら削っている削り機には、
超硬合金製のすこぶる鋭利な鉋(かんな)の刃が4枚付いています。普段使っている包丁と比べられないほど刃がたっています。
今回いつも良い状態で、かつお節「賀茂削り」を削るには、いくら超硬合金製でも、刃のメンテナンスは大切です。
くどいようですが
この刃は、超合金でなくて、
超硬合金です。
(超硬合金とは、硬質の金属炭化物の粉末を焼結して作られる合金である。単に超硬とも呼ばれる。wikiより)
事実、
私どもでも刃の研磨と取り替えを、販売店さんにお願いして定期的に行っています。
以前は、なんとなく感覚で、ボチボチ替え時かなと思ったときに、取り替えをお願いしていたのですが、今ではきちんとカウントしています。だいたい本枯れ節を100本削ったら、刃を換えてもらいます。
この刃は、ひとセット4枚組になっていて、一度研ぎに出すと2週間は帰ってきません。つまりその間はスペアが必要です。
栃木県の研磨専門業者に送って研いでもらっています。刃の出ている角度が重要なため、刃を固定して機械で研いでいるとお聞きします。
そしてどんな刃物でも、
研ぐ=刃が減ります
次は研げません...って言われのを恐れて、いつもビクビクしています。
今まで何十年と使ってきた刃に、おつかれさまと言う日が、間もなく来るようです。
しかし...
鉋(かんな)の刃をかえる...つまり鉋換(ほうかん)のあと、テスト削りをすると、ごらんのような絹生地のようなかつお節「賀茂削り」が削れます。
そして、鉋換作業をしてもらった、京都中央卸売市場の厨房屋さんにも、削り立てのかつお節「賀茂削り」をお裾分けしています。
私どもの商品に欠かせないこの削り機、メンテナンスして頂く際にこの味と食感をわかって頂くことが大切だとおもいます。
~postscription~
どんなに切れる鉋の刃があっても、どんなにいい本枯れ節があっても、削り方を誤ると、粉しかでてきません。そこがかつお節「賀茂削り」の深い話なんです。
まだまだ書き尽くせないお話がございます。ご覧頂きありがとうございます。