「投げ入れ」について
ちょっと…
いつもと違うこと書きます。
おかげさまで、イートイン(料亭ご宴会需要)は少しずつ回復基調にあります。
その座敷がある弊店の別館は、2方面を庭に囲まれた、光あふれる会場です。
今からの時季は、
庭の緑が濃くなる一方、秋まで花がないのがさみしいところ。
先日も京都に造詣が深いお客さまが、大勢お越し頂きましたので、座敷に生ける花を「どうしよう...」と思案していました。
そこで...
弊店の座敷をよくご存じのお花屋さんに、「中くらいのカゴ1杯分、花材お願いします」と電話したところ、こころよく素敵な花材を届けて頂きました。
花材は、
オオヤマレンゲ(大山蓮華)
ホタルブクロ(蛍袋)
カワラナデシコ(河原撫子)
ハナイカダ(花筏)
しかも、
あらかじめ長さもピッタリ。ハサミ使っていません。
草ものは、ハサミをあまり使いたくないのです...というのも、水切りがうまいこといかないと、みるみる生気を失います。花に対して罪悪感に苛まれるほどかわいそうなことをしたと悔やみます。
ハサミを入れる事をためらうほどデリケートな花材に、気を遣います。
さて...タイトルにあるとおり、
投げ入れとはよくいったもので、形式張らすあるがままに生けること。
技巧にはしらず、いきいきとした花の美しさを生けることが出来ました。お花屋さんに感謝&感謝でございます。
花器は、
八坂神社さん御門前の、西河さんで25年ほど前にお願いした、花篭に生けました。良い具合に経年して、煤竹の色になかなか味が出てきました。
花が美しい時って、
本当に時間が限られています。自然のままが美しいはずの花を、切って座敷に持ってきて、人間が生けるのですから、花に失礼にならないように生けないと...っと改めて思いました。
ご覧頂きありがとうございます。 店主謹白